マンガ買いました!『昭和怪事件案内』

このブログでも過去に何回か紹介していますが、あちこちのメディアでも取り上げられているので、なんとなく知っているという人も増えてきたドリヤス工場先生の最新刊です。

いろいろな文学作品をだいたい10ページくらいに要約したマンガでお馴染みのドリヤス工場先生ですが、夏目漱石や太宰治、坂口安吾、石川啄木…といった、日本では誰もが知っているような作家についてをだいたい10ページくらいで描いた『文豪春秋』も大変おもしろく、これも以前にブログで紹介したような気がします…。

今回の『昭和怪事件案内』はその続編として、64年続いた昭和において各時代を席巻した事件やブームを、これまただいたい10ページで紹介します。

とはいえ、自分たちアラフィフおじさんの記憶にあるような話は全30編のうち、最後の方のだいたい4〜5本。それでも、子供の頃に耳にしたことのある事件や出来事の中には非常に有名なものもあり、例えば「阿部定事件」や「帝銀事件」、「太陽族」のブームや「よど号事件」など、読めば「聞いたことある!知ってはいたけど、こんな詳細だったんだ」というものばかり。

“文学作品シリーズ” を読んだときにも、タイトルだけは知ってるけど…。という作品をそれまでよりもきちんと(それでも要約レベルですが)知識として吸収できたのが楽しかった。その “昭和事件史” 版といった感じです。

膨大な情報量にも関わらず、掲載の事件や出来事がわかりやすく頭にすーっと入ってくる構成力とセンスは今回も本当に秀逸。これまで、モノローグでの紹介を主としていた “文学作品シリーズ” とは異なり、今回は語り手となる二人の登場人物による会話として話が進行し、メタな呼びかけや軽妙なやりとりを交えることで読みやすさが一段階アップ。

読み終えてみると、ドリヤス工場先生の作品を未経験の人にお薦めするなら、“文学作品シリーズ” よりもこっちかもしれない! とさえ思います。内容だって「文学作品」より「怪事件」の方が手に取りやすいはずですし。(斉藤)

★ 昭和怪事件案内
・作者:ドリヤス工場
・発行:文藝春秋
・価格:850円 + 税

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