このブログで何回か名前が出てきている、ドリヤス工場先生の新刊を買いました。発売してすぐに買ったんですが、なんだかんだと季節ネタとかを優先してたら、結構時間が経っちゃったという…。
で、ゲゲゲの鬼太郎の作者、水木一郎先生のタッチに酷似した絵がたまらなくツボにはまる、ドリヤス工場先生の最新作ですが、これは文芸雑誌『文學界』に連載されたマンガです(スゴイよね)。明治〜昭和初期に活躍した文豪のあまり知られていない裏の顔を、面白おかしく、わかりやすく読者に紹介するというのがコンセプト。進行役として登場する文藝春秋社の女性社員(なんと最後まで名前がでてこない)に、文藝春秋の創業者にして作家の菊池寛が文豪の裏の顔を語って聞かせる、という構成でこれがまた秀逸。
スマホのゲームに課金する、結構俗物な面を隠そうともしない現代っ子の女性社員と、肖像画や銅像から唐突に語りかけてくる菊池寛とのやりとりがなんともシュール。文章量はかなり多いのですが、1話につき4ページなので一気読みさえしなければ、堅苦しいこともなく楽しんで読み進められます。
登場する文豪は、作品を読んだことがなくても名前や作品タイトルくらいは知ってる!っていう作家ばかりで、世代を問わず楽しめる一冊になっています。特に、文藝春秋の2大文学賞「芥川賞」と「直木賞」の、直木って結局誰なんだっけ?という方は、ぜひ本書を手にとることをオススメします。(斉藤)
★ 文豪春秋
・作者:ドリヤス工場
・発行:文藝春秋
・価格:850円 + 税