先日紹介した『秋山さんのとりライフ』1巻ですが、これは本屋で見かけて衝動買いしたって話で、特に新刊だったわけではありません。奥付を見ると発行は昨年の9月。野鳥観察&撮影という「自分が知らない世界を分かりやすく見せてくれる系」のマンガと書きましたが、今回紹介したいのも同じく、知らないジャンルを知れる系の作品です。渋谷圭一郎先生の『瑠璃の宝石』1巻、発行は昨年の10月で、以前に「今度紹介しよう」と表紙だけ載っけたような…。
話の構成は『秋山さんのとりライフ』に近く、金欠だった女子高生の主人公・瑠璃が、アクセサリーを自作するためにNO知識で水晶を探しに入った山で、大学院生の凪と出会って…というもの。はじまりはなんか共通しているけど、これはボーイミーツ師匠・ガールミーツ師匠モノの定番だし、王道だから全然OK。むしろすんなりとディープな世界へ導入させる最適ルートとも言えますよね。
石の世界のド素人だった女子高生の瑠璃が、凪に導かれてどんどん宝石・鉱石の世界にハマっていき、石の先にある “自然” そのものに感動を覚え成長していく。ディープなジャンルの話ながら、読んでいて清々しささえ感じてしまいます。石の成り立ちや分布などの、一見すると小難しそうな話もすんなり分かる(分かった気にさせてくれる)のは、やはりマンガという媒体の優れたところ。
野鳥観察&撮影の世界を描いた『秋山さんのとりライフ』、宝石・鉱石の世界を描いた『瑠璃の宝石』だけでなく、マンガにはこうした自分の知識や行動の及ばなかった世界に触れることができる良作が本当にたくさんあります。緊急事態宣言が長引いている今こそ、こうした作品に触れて擬似体験?オススメですよね。あと定番でちょい古いけど、岡本健太郎先生の『山賊ダイアリー』も好きすぎる。(斉藤)
★瑠璃の宝石(1巻)
・作者:渋谷圭一郎
・発行:KADOKAWA
・価格:680円 + 税