マンガ大賞とかの常連『チ。-地球の運動について-』が遂に完結しました。ダラダラと引き伸ばしたりせず、描きたいことを描き切った全8巻。歴史における地動説の登場につながる、些細な気づきの誕生…。「こういう終わらせ方にしたかぁ!」と、メチャクチャのめり込んで最終巻を一気に読みました。そして今週はこのブログで毎回取り上げている『怪獣8号』の最新7巻も発売! どちらも強くオススメしたいビッグタイトルですが、天邪鬼な斉藤は今回あえての新作紹介です。

阿賀沢紅茶先生の初単行本!『正反対な君と僕』。これまでWeb連載で活躍してきた同先生ですが、個人的にはこの作品が初めて読んだタイトルです。ただ、ジャンププラスでの連載が始まってすぐにハマり、コミックス絶対買うリストに入れていました。
連載1話目でなぜか気に入ってしまいましたが、作品としては割りと結構、意外にもちゃんとラブコメ!
人の目を気にしていろいろと合わせてしまいがちな鈴木さん。自分には芯がない…と感じている彼女の想い人は、同じクラスの真面目な谷くん。谷くんの相手を選んで態度を変えない姿勢や、自分の意見はキチンと言葉にして通すところに、自分が持っていないモノを感じてついつい気になっています。
でも、クラスの陽キャ達の手前、そんな谷くんに積極的にアプローチするのにも躊躇して、変なウザ絡みしかできない鈴木さん。ところが、第1話でいろいろあった末、鈴木さんは谷くんに想いをぶつけて恋人同士になることにひとまず成功。そこから正反対な二人がお互いの違いを認め合いながら距離を近づけていく、そんな人間描写が最近読んだ作品の中ではとにかく秀逸でした。
失敗すると重くなってしまいがちなテーマを、クスっとさせてサラッと読ませるコメディパートとシリアスのバランスが良く、絵柄もディフォルメ加減も作品にピッタリ。1巻の時点では2人の世界に悪者は登場していないので、このママとてもハッピーな物語を続けてアラフィフオジサンに甘酸っぱいヤツをバンバン放り込んでくれることを期待します。
ビッグタイトルも良いけど、こういう新しくステキな作品にもまだまだ出合えます。歳を重ねてキュンキュンすることが少なくなっても、マンガで擬似青春を摂取して今年の夏も乗り切りましょう(笑)(斉藤)
★正反対な君と僕(1巻)
・作者:阿賀沢紅茶
・発行:集英社
・価格:600円 + 税