ここ数年、週刊少年ジャンプの本誌よりも、Web媒体のジャンププラスの作品ばかり手に取ってしまう斉藤です。
さて、3月のジャンプコミックス新刊についてはこんな感じでした。
連載当初から推している『ラーメン赤猫』と『正反対な君と僕』、そして “君と僕” の作者の完結済みWeb連載を単行本化した『氷の城壁』を購入。そしてもう一冊、連載開始からズっと面白い!と思っているラグビー漫画『最強の詩』の1巻です。
ちなみに今月は、本当にキリがないから手を出すのをやめた『夏の終点』なんかも発売しています。人によって好き嫌いが大きく分かれそうな作品ですが、これもかなりのオススメ。
話が逸れましたが『最強の詩』です。本作はU-15の日本代表が世界を席巻した、ちょっとだけ架空の世界での高校ラグビー界が舞台。
物語は人口の少ない山村に育ちチームスポーツ未経験の主人公 “山田金山” が、福岡市内の高校に入るところから始まります。日本代表経験のある学生たちが各校のラグビー部を牽引する中で、厚い才能の壁にブチあたって「ゆる部」と化した弱小の陸善高校ラグビー部。主人公が彼らと出会い、持ち前のパワーと好奇心、そして前向きなマインドで部員たちの心に闘争心の火を灯す…。というめちゃくちゃにシンプルで熱い展開が、王道だけども読んでいてい久々に清々しい!
立ち塞がる才能を規格外のパワーだけで押し除ける痛快さ。そんな主人公に感化されて強くなりたい!と歩み出す仲間たち(あと顧問も一応)。そして敵として向かい合うとイヤだけど、試合の外ではサッパリとして好青年なU-15代表の選手たち。
ラグビー特有の “ノーサイド” の精神のあらわれなのか、今のところ登場人物みんなイイヤツなのも読んでいてストレスがなくて良いですね。作者の宮田大介先生は過去に他誌での連載経験もあるようで、確かに絵や構成、キャラクター造形やセリフのテンポなど、読んでいてかなりこなれているなという印象。正直絵柄は結構好みです。あとカラーのタッチも好き。
自分を含めラグビー初心者でルールもあんまり…という人にも、要所でわかりやすく解説が入るので安心。実はこれまで目に見えてヒットした作品がなかったラグビー漫画ですが、ワールドカップなどで注目も集めてきた今、一皮剥けて “ヒット作” になって欲しいと思う一冊でした。(斉藤)
★最強の詩(1巻)
・作者:宮田大介
・発行:集英社
・価格:650円 + 税