(この記事は2018年4月29日に書かれた記事の再掲載となります)
PC8801mkIISRユーザーだった、70年代生まれの自分が
当時夢中になったり衝撃を受けたりしたパソコンゲームを
ほとんど記憶だけを頼りに語っていくコーナー。今回はシステム編。
クリスタルソフトの国産RPG『夢幻の心臓』の続きになります。
さて、皆さんお馴染みのRPGの世界では、フィールドやダンジョンを移動して
遭遇した敵を倒すことで、経験値とその世界での通貨を入手。
経験値が一定の量溜まるとキャラクターのレベルがアップして各ステータスが上昇…。
この大まかな流れは、初期のウィザードリーから現在のスマホRPGに至るまで
だいたい変わりません。いわゆるオーソドックス。いわゆるスタンダードな成長システムです。
夢幻の心臓でも遭遇した敵を倒すと経験値とゴールドが手に入りますが
漫然とプレーしていると経験値はただ溜まるだけで、
キャラクターの強さには何の変化もおきません。
序盤は手に入れたゴールドで装備を整えていくしか強くなる方法がないんです。
ちなみに夢幻の心臓では、武器や防具は戦闘を重ねていくと、いつか突然壊れます。
光の剣だろうが獅子の盾だろうが、使っていると容赦なく壊れます。えーーー!
戦闘で得た経験値は、城やダンジョンで“紋章”を入手することで、初めて“強さ”や“体力”の
ステータスに変換できますが、そんなこと説明書には書いてなかったような…。
これに気がつかなければ、ただただ無駄な時間を過ごすことになります。
“無駄な時間”と書きましたが、夢幻の心臓の世界では、プレーに合わせて“日数”が経過します。
夢幻の心臓の舞台となる夢幻界はなんだかんだで呪われた世界のため
毒みたいなものか、負のオーラなのか、人間界からやってきた主人公は30,000日で死にます。
(なにをどうしてもどうにもならないタイプのゲームオーバーです)
平地や道を進むのにそれほど時間はとられませんが、川や森、山を進むと同じ距離を進んでも
平地よりもあっというまに時間が経過します。
ゲーム中は砂漠の真ん中の町に、何度も向かわなければならないのに
町に向かうだけで激しく寿命が縮んでいくので、無駄に町に寄ることもできません。
経験値やゴールドをたくさん得られる強敵は、基本的には山や砂漠などの
進みにくいエリアにしか出現しないので、プレーヤーはここでもジレンマを抱えます。
とにかくセオリーとは違うことをこれでもかとブッ込む姿勢。
けれどもゲームとしては破綻しないバランス感覚。
書ききれないけれども、キャラクターなどのグラフィックセンスも抜群です。
しかも苦労の末に最後の場所にたどり着いて迎えるエンディング…。
夢幻界から抜け出して、目を開けた主人公の眼前、大空を飛ぶドラゴンの姿が描かれて
「ここはあなたのいた世界ではない…to be continued」えーーーーーー!
国産RPGの黎明期にして記念碑的な作品『夢幻の心臓』
またいつかプレイしてみたい永遠のファンタジーRPGです!(斉藤)
再掲載 memo ……………………………………………………………………………………………
実はこの「夢幻の心臓」、続編の「夢幻の心臓Ⅱ」こそが至高の一本!
他にもザナドゥとかハイドライドとか本気で取り組んだらネタは尽きない記事カテゴリーね。