先月の発売・購入から少し間が空いてしまいましたが、『劇光仮面』5巻です。そして、今回も内容にふれるためネタバレがあります。
今回の表紙は特美研時代からの盟友 “ベーアサーダ” こと 真理りま。なんともレジに持っていきにくいデザインですが、古くからのファンは「覚悟完了」しているので問題ないです。
さて、一応ですが1〜2巻のレビューと、3巻レビュー、4巻レビューも一応。こちらになります。
今回は前巻までのあらすじは飛ばして、早速5巻の内容からと思います。まず、1巻から緻密に丁寧に、主人公 “実相寺二矢” の人物像、経歴、劇光服についてを書き重ね、その裏で日常に潜む怪異をジットリとそしてジックリと描いてきた本作。
自分は連載では一切追いかけていないため、この先の文章が全部マトを外した内容になるかもしれないことを前置きして書きますが、まずここまで描かれてきた怪異=怪人のことを自分はこの物語の主軸だと思って読んきました。
ところがこれがどうも思い違いだったみたいです。4巻で主人公たちの前に姿を現した怪異の張本人 “人龍” こと鹿角亜門とその同胞の少女イリス。この二人のエピソードはなんと5巻で決着。正直この展開には驚きと言うよりも戸惑いを隠せなかった!
え、待って、どういういこと? 物語終わっちゃう? いやでも5巻の最後にはまた新たな異常が提示されて、物語は全然続いていく様相だし…。
そこで、ない知恵を絞っていろいろ考えてみた。つまりこういうことか…?
自分が物語全編を通しての事件・怪異だと思っていた人龍ですが、これは仮面ライダーでいうところの “蜘蛛男” にしかすぎないと。いや、そもそもショッカーにあたる組織が暗躍している風でもないので、えーっと…ウルトラQのゴメスとリトラってことか?!
これまで『劇光仮面』は、物語を通してひとつの巨大な組織に立ち向かって、迫り来る怪異=怪人たちと戦っていく『仮面ライダー』的なプロットかと思っていたけど、『ウルトラQ』的な単独の怪異が次々と現代社会に忍び寄り、それを主人公たちが劇光服の能力を駆使して退けていく。そういう物語だという結論にたどり着きました。
…これ、合ってるかなぁ? だとしたら、5巻分使っての「第一話」ってことになるし…。全然違って、人龍を生み出した組織(旧日本陸軍)が6巻以降も暗躍してたら、スッゴイ恥ずかしいんだけど、まぁいいや。現状5巻までの内容から推測してみるときっとそういうことなんだなと。
そういえば、4巻レビューでふれた気になる描写の数々は、あんまり本筋とは関係なかったみたいですね。いや、まだ6巻以降に引っ張ったりするのかしら? ここからますます目が離せないですね。(斉藤)
★劇光仮面(5巻)
・作者:山口貴由
・発行:小学館
・価格:800円 + 税