以前、購入したマンガが溜まってバババッと駆け足で紹介した作品の中に、今回紹介する『ひらやすみ』があったかと思います。
かなりふわっとした展開のため、面白いんだけどどこまでフォローするかは未定…としていた本作ですが、新刊が並ぶたびに気になって結局買い続けており、先日最新5巻が発売されました。
知り合った独居老人から阿佐ヶ谷の平家を引き継いで暮らす、フリーターの主人公ヒロトとイトコで同居人のなっちゃん。学生時代の親友ヒデキや、異性としてちょっと気になる不動産会社の立花さん。小説家でミニマリストの石川さんと、なっちゃんと同じ大学のあかりんと山田くん…。
阿佐ヶ谷の街に集う人々が抱える、小さな痛みやモヤモヤを少しずつていねいに解きほぐすように進む物語は、どことなくホッとするような、ちょっとキュッとなるような、さまざまなアレです、なんていうか人間模様?みたいなものを擬似体験させてくれます。
フリーターを続けながら平家に住み、人生のひとやすみをしているヒロト。彼の人生もそろそろ動き出しそうな、そんな予感をさせて幕を引く最新5巻だったので、切ろうか続けようかいつも迷うけどおそらく次巻も手が伸びそうな気がします。
余談ですが、作者の真造圭伍先生は現在36歳、若くしてガンを患い闘病も経験されており(2020年に寛解を公表)、そうしたバックボーンが人生をゆっくり見つめるようなこの物語を生み出しているのかもしれないですね。(斉藤)
★ ひらやすみ(5巻)
・作者:真造圭伍
・発行:小学館
・価格:650円 + 税